どんな子どもたちからの電話なの?子どもたちの「声」、「気持ち」を知って下さい。
全国各地のチャイルドラインで受けた愛知の子どもからの電話
2022年度、愛知県の子どもからチャイルドラインに57,340本の電話がかかりました。そのうち、電話がつながったのは23,512本ですが、無言12,649本、会話不成立のもの6,104本を除くと、会話が成立した電話は4,546本でした。
このうち、性別や学齢がわかるもの4,334本について、学齢別男女別の割合、電話の内容として多かったものを学齢別男女別にグラフにしたものです。
チャイルドラインあいちが対応した全国の子どもからのオンラインチャット
2019年度から第2、第4金曜日、第3土曜日にオンラインチャットを2回線開設しています。
2022年度にチャイルドラインあいちが対応したオンラインチャットの総数は232件でした。すべて子ども(未就学児~18歳)からのアクセスで、会話成立210件、不成立22件(いすれも男女不明、性別不明、年齢不明が含まれる)でした。
全国における受信状況
NTTのフリーダイヤルのデータによると、2022年4月~2023年3月、全国の子どもたちがチャイルドラインに電話をかけたのが410,720本、つながった電話は184,627本でした。
オンラインチャットはシステム上発信場所がわからないので、データを取得できません。
チャイルドラインあいちでは、愛知県共同募金会の分配金で毎年約84万枚のカードを作成し、県下の各教育委員会および各学校のご協力で、子どもたちの手元にカードを届けることができています、毎年定期的にカードを配布できていることが、愛知県の発信の多さに表れています。
オンラインチャットの受信数の変化
チャイルドラインあいちでは、2019年からオンラインチャットを開設しました。
徐々にアクセスが増えています。全国とチャイルドラインあいちそれぞれで対応したオンラインチャットの本数を比較した表と、チャイルドラインあいちで対応したオンラインチャットの本数の変化をグラフに示しました。
そばに家族がいても、移動中の電車やバスの中でもつながれるのがオンラインチャットのよさでしょう。スマートフォンからのアクセスが多いですが、コロナ禍を経てネット環境が整ったため、パソコンからのアクセスも増えています。
「つぶやく」から
2020年3月、COVID-19の影響で全国の学校が臨時休校になり行動制限が出されるなか、チャイルドラインの実施団体でも活動を制限しなければならない状況になってしまいました。そのため、全国では通常の30%の窓口しか確保できない状況になりました。
この状況を受け、子どもたちがとにかく気持ちを吐き出す場所を確保しようと、同年6月チャイルドライン支援センターのHPに「つぶやく」というコンテンツが作られました。
現在でも子どもたちからの書き込みは減ることはなく、毎月多くの声が届いています。
(報告書より)
努力をしないとバカだとか言われた。ごめんなさい
たまに、なんとなく学校に行きたくないときがある…。お母さんに理由を聞かれるけど自分でもよくわからないから、「わからない」としか言えなくて、当たり前だけど理解してもらえない。そして、ずっと明確な理由を求めてくるから嫌でしょうがない…。それがストレスでいろんなことへの気力がなくなっちゃうからいい加減な自分のこと好きになれそうにないんだよなぁ…
人が苦手です。関わりたくないとも思います。人間と関われば関わるほどトラウマになっていきます。人は苦手だけどやっぱり好きなんです。関わりたいです。友達が欲しいです。でも人間関係もうまくいかないし、どうしたらいいでしょうか。自分のことが嫌になって、嫌いになって、リスカや、自傷行為がやめられません。死にたいって思うのもやめられなくて。どうしたらいいでしょうか。
学校がいやだ。とにかくやだ。
友達はいる。でも、お昼はぼっち。二人組作ってくださいもやめてほしい。余るから。話してくれる子もいる。でも、なぜか寂しい。死にたいと思う。でも、死ねない。楽になりたいけど死ねない。家族もいるし、友達もいる。きっと死んだら悲しむでしょう。せめて学校を休めたらいいのに。単位とかどうでもいい。はぁ、死にたい
チャイルドラインにかかってきた、子どもの声
チャイルドラインは、秘密を守ると子どもたちに約束しています。ここに掲載する事例は個人が特定できないよう配慮したものです。話された内容そのままではありません。
友だちにいじわるされて先生に相談したら注意してくれてとまった。でも、しばらくしたらまたいじわるしてきた。いじわるする子が自分の仲良しの子としゃべってる。一番いやなのは友だちを取られること。新学期、学校へ行きたくない。(小学校低学年男子)
小さい頃から周りの価値観にあわせて、人に変に思われないように気を配って平均的な関わり方をしてきました。月日が経つごとにエネルギーがなくなってきています。生きていることが好きではないです。(中卒女子)
身体は女だけど、自分は男だと思っている。学校でも男として見られたい。カミングアウトしたら、やっぱり変な目で見られるかなあ。(高校生)
子どもからの感想
チャイルドラインのウェブサイトを通じて寄せられた感想・意見です。
公表することを明記した上で募集しています。
先生や親に相談できなくても、しにくい相談でも、快く対応してくれた。実際に私は他の人に絶対相談できないと諦め、困っていたことを相談して、気が楽になった。本当に感謝。(13歳男子)
ずっと気持ちがもやもやしていて、思ったことをめちゃくちゃになりながら言っても、ずっと優しく聞いてくれて相談しやすかったです。(13歳女子)
自分の悩みに共感してくれる人がいて本当に良かった。味方はやっぱりいるんだなあと実感した。(17歳男子)
話を誰かに聞かれるのが嫌で、なかなか電話ができる機会がなくて(家に誰かがいることが多いため)チャットを利用しました。家族に話しても理解してもらえない悩みを親身になって聞いてくださいました。改めて気づかされたことも多く、救われました。私のように電話相談がしにくい子もいると思います。チャット相談ができるようになり嬉しいです。(17歳女子)