「子どもの権利条約」を大人がちゃんと学ぶために

こんにちは！　出前講座部の渡辺です。

今年度の電話の受け手ボランティア養成講座が始まりました。
C.L.あいちでは5回の基礎講座、7回の実践講座と、じっくり、たっぷり準備されています。

講座の中では子どもを取り巻く現状、傾聴、活動やボランティアのことなど多彩。
その中身は座学あり、ロールプレイあり、ワークありと様々。
子どものことを知り、子どもに寄り添うための姿勢やスキルをしっかり身に付けてもらうために色々と工夫をしています。

そんな講座の中のひとつに「子どもの権利」をじっくり考え、学んでもらう講座が実践講座の一回目に設定されています。
今年はその講座をわが出前講座チームが担当することになっています。
「子どもの権利条約」を基本に押さえながらも自分の頭や肌感覚で感じ、考えながら学んでいけるようにと準備しています。
どんな講座にできるかはお楽しみに。

ところで、そもそも「子どもの権利条約」ってご存知でしたか？

残念ながら「子どもの権利条約」のこと、ちゃんと知ってる大人・子どもともに少ないんです。

この条約の42条には「国は子どもの権利条約のことを大人にも子どもにもちゃんと知らせること」
とあり、条約ですので（国と国との約束）政府はこれを実施しなければいけないのですがね。

でもその実態は・・・

そこで、お薦めなのがこの本。

子どもによる子どものための「子どもの権利条約」
28年前に中学生だった二人の女の子が
子ども目線の子どもの言葉で権利条約を訳してくれた本です。

この本では43条までですが、そのそれぞれが子ども目線を大事にし、丁寧に語られています。

これらの条文のどれもが子どもにとって本当に大切で、守られなくてはならない事なんです。
（大人が守らなくてはいけない）

今回はこの中の第12条、「子どもの意見表明権」のところを紹介させてもらいます。

第12条　ぼくらにだって、言いたいことがある。
1.　赤ちゃんのうちは無理かもしれないけれど、
　少し大きくなったら、
　自分に関係あるすべてのことについて
　いろんな意見、思い、考えを持つ。
　それはみんな、
　どんどん他の人に伝えていいんだ。
　国は、大人たちがぼくらの年や成長をしっかり考えて
　きちんと受け止めるように、してほしい。
2.　だから、ぼくらは、自分に関わりがあることを
　住んでる国の法律に合うやり方で、
　裁判所などで何かを決めるとき、
　言い分や意見を十分に表現して、聞いてもらえるんだ。
　自分で言ってもいいし、
　他の人にたのんで代わりに言ってもらってもいい。

最後にちょっと長くなりますが

一つひとつの大事さと全体像を感じてもらうために
この目次を紹介させてもらいます。

ほんとうのまえおき
第1条何歳まで子どもなの?
第2条だから、差別なんかだめなんだってば。
第3条子どもにいちばんの幸せを、ね。
第4条で、国がしなきゃいけないことなんだけど。
第5条教えてほしいこと。
第6条いのちのこと。
第7条名まえがほしい。国の人になりたい。
第8条たとえば、ぼくがぼくであること。
第9条お父さんお母さんとは、いっしょにくらしたいんだ。
第10条で、親に会いたいとき。
第11条たとえばお父さんとお母さんが離婚して、国と国とのあいだでぼくを取り合いになりそうなとき。
第12条ぼくらだって、言いたいことがある。
第13条どうやって伝えてもいいんだ。
第14条とりあえず、何考えてもいい。
第15条グループをつくってみてもいい。
第16条なんにしろ、ひみつは知られたくないなあ。
第17条じょーほーは、大人だけのもんじゃない。
第18条生んだからには逃げないで、責任もってほしい。
第19条親から痛い目に、ひどい目にあわされるなんて。
第20条もし家族とくらせなかったら?
第21条ほかの人が育ててくれる場合は?
第22条国から出るしかなくなったら、どうしよう。
第23条みんなで楽しくくらすために、できること。
第24条心と体にいっちばんイイこと。
第25条ぼく、この病院で何をされてるんだろう?
第26条もし、お金がなくて困っていたら……。
第27条「ごはん」と「おうち」と「ふく」のはなし。
第28条「知りたいな」を大切にしよう。
第29条なんのためにおべんきょ、そのほかいろいろするのかな。
第30条多いもんにしたがう必要はない。
第31条遊び、遊ぶ、遊べ、遊んじゃえ!
第32条大人のために働くなんて。
第33条麻薬にまきこまないで。
第34条いやらしいことに、利用されないぞ!
第35条ぼくらはうりものじゃない。ゆうかいもいやだ。
第36条金もうけに、子どもを使うな。
第37条ぼくらの自由がなくなったとき。
第38条戦争なんて、おきてほしくないんだけど。
第39条身も心もボロボロだよ、助けてよ。
ほか