「死ぬのがこわい…」って6歳の女の子に

こんにちは! きくお[B]です。

今日はまた本の紹介をさせてもらいます。
その本とは、昨年亡くなられた詩人の谷川俊太郎さんの
「谷川俊太郎 質問箱」という本です。

これは ほぼ日刊イトイ新聞というのに連載されていたのが本になったというもの。
読者からの素朴で深い悩みや疑問に 谷川さんがとてもリラックスした姿勢でお返事して下さっています。

詩人だから当然なんだと思うんですが、その人の使う言葉や人の気持ち大事にしたお応え、
いちいち「なるほど」と思ってしまいます。
でもね、中にはこんなのもあるんです。

相手の質問をひとあたり受け止めておいてから最後に
「こんなことは詩人に聞いていないでお医者に行って下さい」(笑) ってお返事があったりで・・・

そんな素敵な谷川さんの質問箱の中から
今回はその内の一つだけを紹介させてもらいます。
それは子どもからの質問でした。

  目をうるませながらの質問でした。 正直、答えに困りました。)

〈谷川さんの答え〉
ぼくがさえちゃんのお母さんだったら、
「お母さんだって死ぬのはいやだよー」
と言いながら
さえちゃんをぎゅーっと抱きしめて
一緒に泣きます。
そのあとで一緒にお茶します。

あのね、お母さん、
言葉で問われた質問に、
いつも言葉で答える必要はないの。
こういう深い問いかけにはアタマだけじゃなく、
ココロもカラダも使って答えなくちゃね。

素敵ですね、谷川さんのお答え。

 

チャイルドラインの電話やチャットでは 子どもたちから
「どうすればいいですか??」みたいな言葉が出てくることはよくあります。
普通の大人はつい「こうすればいいんじゃない」みたいなこと言ってしまうこと、多いんじゃないかと思います。
(これ自体が悪い訳ではないです)
私たちチャイルドラインでは「そう、そんなことで困ってるんだね」「じゃぁ、一緒に考えさせてもらうね」
というような姿勢で子どもたちに向き合っていきます。

でもこの さえちゃんの ような相談だったら・・・

私たちチャイルドラインは「言葉」でしか子どもたちとやり取りは出来ません。
でも、谷川さんの言う「ココロもカラダ」も精一杯使わせてもらい、
さえちゃんをぎゅーっと抱きしめている気持で向き合わせてもらっています。

このお母さんの役割とチャイルドラインの役割は同じではありませんが
谷川さんがここで言われた「ココロとカラダ」は受話器を握りしめている私たちみんな、
いつも持ち続けなくちゃ、 直接 抱きしめることは出来なくても。
そんなことを考えさせてもらった「質問箱」のやり取りでした。

  

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