被災地の今
6月4日はチャイルドライン支援センターの総会に参加してきました。
全国で活動しているチャイルドラインの仲間が集まりました。
こういう場所に参加すると、自分たちだけが頑張っているわけではないと
改めて感じることができて、モチベージョンも上がります。
今回は総会後のオプション企画として、被災地の様子を聞き
今後チャイルドラインとしてできることは何かを語り合いました。
岩手、宮城、福島、千葉の様子をお聞きしました。
テレビの報道だけでは伝わりきらない(伝えてくれない)ことが
たくさんあるようです。
報道されているような大きな避難所は物資が行き届くけれど
小さな規模のところや、避難所がいっぱいになるからと
自宅に戻った人たちには「避難所優先」と
物資を分けてもらえない状態もあるそうです。
そして家や職場が残っているか、いないかで起こっている
ねたみの感情と、申し訳ないという感情。
当初は支えあう優しい関係でつながっていた人たちの状況に差が出始めていて
それが子ども間でも影響が出てくるのではないかと心配されていました。
被災して1週間は家族や周りの人たちとのつながりが強くなった
幸せな時間だったかもしれないと。
子どもたちは被災直後、中高生を中心に働き手としてよく頑張ったそうです。
日本の中で一番社会参画した子どもたちだったでしょう。
落ち着きが少し戻ってきた今は「子ども」というカテゴリに戻りつつあるそうです。
今は学校が再開され、一つの校舎に複数の学校が同居しているため、
廊下で授業をしていたり、体育をしたり。
放射線の影響で休み時間も外へ出られず、窓も開けられず
室内は40度を超え、先生方もイライラしてきてしまう。
部活がなかったり、体育の授業のないところもあり、
外へ出られても自衛隊車両や仮設住宅で校庭は使えない。
子どもたちの体力が心配、という話がありました。
成長盛りに運動して体力をつけたり
体が大きく強くならなければいけないのに。。。
学校に通っている子どもたちは学校を通して把握ができるけれど
そうではない乳幼児支援が今後は必要になってくるだろうと。
それから「ありがとう疲れ」と「さよなら疲れ」
ボランティアに来てもらって、何かをしてもらって
その度に言う「ありがとう」
そこでおこってくるのが、自尊感情の低下。
ボランティアが来たら、帰っていく。
その度に言う「さよなら」
見捨てられる、置いていかれるという感情が起こってくる。
また、「さよなら」を言って帰ってきたボランティアにも
置いてきてしまった罪悪感や
もっとできるのではないかという焦燥感が。
「長期にかかわってくれる人が必要」
芸能人の炊き出しもうれしいけれど、1~2日でいなくなってしまう。
次もそこにその人がいる。そんな単純なことが必要なのだと。
また、避難所によって差ができているのでコーディネートしてくれる人もほしいと。
たくさんある避難所がどこにあって、何人が避難しているか
どこに何が足りないかを把握してくれる人。
現地の人は全員が被災者ならば、他の所からのサポートが必要です。
現地の方と話ができて、自分たちの出来そうなことも見えてきました。
報道は少しずつ、原発事故、放射能汚染の問題が多くなり
自分たちへの影響が中心で、被災地から離れてきています。
忘れ去られることほど寂しく、辛いことはありません。
チャイルドラインとしては被災した子どもたちが19歳になるまでは
支え続けていかなければなりません。
忘れることなく続ける必要のある、今回の被災地への支援。
どんな電話がかかってくるかわかりませんが
私たちは、子どものありのままを受けとめる準備を
しておかなければと思いました。
代表理事 高橋弘恵