離婚について思うこと
昨年、ある芸能人の泥沼離婚劇がテレビをにぎわせました。
俳優である夫が離婚訴訟を起こして勝訴しました。
そして、敗訴した妻は控訴を断念したため、離婚が成立しました。
芸能人の話題なので、マスコミは格好のネタとして取り上げていました。
私は、この離婚劇を見て安心したことが1つあります。
それは、2人の間に子どもがいなかったことです。
厚生労働省の人口動態統計によると、平成23年の離婚件数は235,719件(組)です。
このうち、未成年の子どもがいる離婚件数は136,808件です。
これを百分率で表すと58%であり、
半数以上の離婚件数に1人あるいは2人以上の子どもがいることになります。
また、婚姻届を提出しない、いわゆる「事実婚」は統計データに算出できないため、
正確な子どもの数は分かりません。
いずれにしても、136,808人以上の子どもが、両親の離婚に「巻き込まれた」のです。
なぜ離婚について書いたのかというと、私が子どものころに両親が離婚したためです。
私は、両親の離婚の顛末をずっと見ていました。それは悲しいものでした。
もう一度書きますが、冒頭に取り上げた芸能人の離婚で安心したことは、
私と同じ思いをする子どもがいなかったことです。
1組の夫婦が離婚に至るまで、口論あるいは殴り合いがあったと思います。
子どもは、そんな夫婦の戦争を目の当たりにしています。
子どもは大人と比べて語彙が少ないため、
自分の気持ちを言葉でうまく伝えられないことがあります。
しかし、笑ったり、怒ったり、悲しんだり、
こころに生じる様々な感情は、大人と子どもに差はないと思います。
大人が笑えば、子どもも笑います。
大人が悲しめば、子どもも悲しみます。
チャイルドラインでも、子どもたちの悲しい声を聞きます。
お父さん、お母さんに話したくても話せないことを、
電話の向こうの私たちに話してくれています。
雑誌やウェブサイトを見ていると、
「不景気になると離婚が増える」「不景気になると離婚を控える」と、
人によって分析が違っています。
どちらにせよ、不景気と離婚には関係性があるようです。
「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざがあります。
不景気と離婚に関係性があるならば、夫婦の仲を繋ぎとめるには「お金は大事」といえます。
また、「縁の切れ目は子で繋ぐ」ということわざもあります。
もし、本当に、夫婦の仲を繋ぎとめる役割が「子ども」ではなく「お金」だとしたら、
それは身も蓋もないと思います。
子どもがいないなら「金の切れ目が縁の切れ目」も有りですが、
もし、子どもがいるならば、子どもの気持ちをしっかりと聴いてあげてほしいと願っています。
(書き手:クロ)