ご冥福をお祈りします。

8月末、大河内祥晴さんの訃報をネットニュースで知りました。

大河内さんは1994年にいじめ自殺で息子の清輝さんを亡くし、その後いじめをなくすために奔走されました。

私たちチャイルドラインあいちも何度か講演会でお話を聞かせていただきました。

チャイルドラインの全国フォーラムや子どもの権利条約フォーラム2012inあいちでもご登壇いただきました。

打合せのために、何度かお宅にお邪魔したことがあります。

事件の現場になった地域で、お宅で、亡くなった清輝さんの名残がまだ確かに感じられることに戸惑って、何とも言えない気持ちになったことを覚えています。

大河内さんは清輝さんの気持ちをきいてあげられなかったこと、励ましてしまったこと、変化に気づけなかったことを親としてとても悔いておられました。

身を削るようにして涙しながらお話しされる姿は、何度聞いても胸に突き刺さるものでした。

子どもの権利条約フォーラム2012inあいちの時に、おとなの参加者に交じって小学生の女の子が一人参加していました。

質疑応答の時間にはその一人の子に向けて「あなたの声が聴きたい」と優しく話しかけている姿は忘れられません。

現在、いじめ防止対策推進法が制定されたり、スクールカウンセラーが配置されるなど様々な対応がされ、いじめの認知件数は増えました。

でも、残念なことにいじめもいじめ自殺も無くなっていません。

いじめられている子といじめている子の間には認知の差があるのではないかと思います。

子どもたちに、人の心や体を傷つけるような差別や排除をすることが実は自分を傷つけるということを、そんなことをしなくてもあなたはあなたでいいんだということを、どうやって伝えていけるのか。

大河内さんを知っている私は課題をもらった気持ちになっています。

「おとなの皆さんに訊きます。いじめは無くなると思いますか?私は思いません」

これも子どもの権利条約フォーラムで高校生が会場に問いかけた言葉です。

皆さんはどう思いますか?

大河内さんのご冥福をお祈りします。お疲れ様でした。

チャイルドラインあいち専務理事 髙橋弘恵

 

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